学園ニュースnews

2016.10.3掲載

全日本インカレに指圧トレーナーとして帯同しました


選手たちに胴上げされる小山裕三監督

平成28年9月2日~4日、天皇賜盃第85回日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)に日本大学のチームトレーナーとして教務より金子泰隆・田中智子・石塚洋之の3名で活動を行って参りました。大会の結果は日本大学が5回目の総合優勝を果たしました。また、例年では日本大学はフィールド競技での得点により総合優勝となるのですが、本年はトラック競技でも総合優勝し、フィールド競技・トラック競技と全てにおいて日本大学が好成績を納めたという事になりました。


日本大学総合優勝(5連覇)

昨年より日本大学にトレーナーとしてつかせていただくことになりましたが、昨年の大会帯同ではまだ選手とそこまで深く知りあっていないこともあり、指圧の機会は少なく、予選のレースで軽い肉離れを起こす選手も多くいたように見受けられました。しかし、今年からは毎週木曜日に選手寮に訪問し、指圧ケアを行うことで選手との信頼関係も結ばれ、本年の大会では多くの選手が指圧を受けるようになりました。この成果か本大会では昨年のような怪我がほぼゼロに近く、予選後も違和感なく決勝に向かえたことがフィールド・トラック競技総合優勝という結果につながったのではないかと考えています。

筋肉の硬結(緊張)は指圧によって軽減することは日ごろ経験していますが、その硬結が競技(運動)をすることで完全に消失するということを、今大会を通じて経験しました。

予選前に指圧ケアをした400mの選手のハムストリング深部にあった硬結が、指圧により硬結(緊張)は緩和され、選手に動きを確認してもらったところ当初感じていた違和感はなくなったとの事で、そのままアップを開始し、予選に臨みました。結果はその予選で日本選手権参加標準記録を越える自己ベストをマークし、満面の笑みでトレーナーブースへ帰ってきました。


  • 選手を治療する石塚

  • 選手を治療する金子泰隆

レース後の疲労があるという事で、再び指圧を行い、全身を指圧すると、予選レース直前よりも筋肉の硬結はなくなっていました。少し時間をおき決勝が行われるため、アップ開始前に最終チェックを行うため再度、指圧で緊張部位・硬結がないかをチェック致しましたが、この時も筋緊張・硬結は何もなく本人も「最高の状態です」と言っており、自信をもって私も選手を送り出しました。その後の決勝レースの結果は予選よりは記録が伸びず、7位と優勝は逃してしまいました。

この結果から、確かなことは言えませんが、予選の前のケアで感じていた、わずかに残る硬結があっても選手の体感として、「違和感ありません」との反応が得られれば、ベストである。そして、筋の硬結(緊張)が完全に無い状態というのは選手が「最高の状態」と言ってはいてもベストとは言えないのかもしれません。選手が感じる感覚と、身体の状態は必ずしも一致するものでもなく、またよく言われますが「緩めすぎ」は良くない。これが言える事なのかとも感じました。

しかしながら、私たちあん摩マッサージ指圧師は常に筋肉の反応を読み取りながら指圧をします。わずかな変化も感じ取ります。これは指圧の「集中の原則」です。その洗練された技術・感覚で選手を指圧することで、緩ませすぎなどはない、ベストな筋肉状態を作り上げることができる「指圧トレーナー」なのではないかと考えています。

日本指圧専門学校は東洋療法学校協会加盟校の中では数少ないスポーツ分野の現場実習先がある学校です。また日本のスポーツ界を牽引する大学である「日本大学」と提携していることは大変貴重であると感じます。スポーツトレーナーを目指す方々に是非、あんまマッサージ指圧の国家資格を取得してトレーナーを目指すことでコンディショニングから治療・リハビリテーションまで幅広い対応が可能となる事を認識していただきたいと思います。確かな知識技術が学べる学校、確かな実習先がある学校、それが日本指圧専門学校の強みです。

(教務:石塚洋之)